石垣島天文台では12月11日に、今季初となる南十字星(みなみじゅうじ座)を撮影することができました。
南十字星(みなみじゅうじ座)は、おとめ座やからす座などの「春の星座」の 真南に位置しています。これらが南中するのは、春だと夕方ですが、12月では明け方になります。
この南十字星の画像は2021年12月11日の朝6時35分に撮影されたものです。八重山諸島など沖縄県内の島々は、冬季に水平線付近が晴れない場合が多く撮影のチャンスはあまりありません。しかし、ここ数日は晴れの日が多く、低空の雲間から明け方に姿を現した瞬間に撮影することができました。石垣島天文台で撮影された南十字星の画像としては最も早い時期のものになります(※1)。
石垣島(北緯24度)は南十字星を見ることができる地域の一つです(※2)。このため、南十字星は2019年7月10日に石垣市の新たなシンボルとして「市の星」に制定されました。毎年12月頃から6月頃のおよそ半年は、南十字星の十字を形作る4つの星すべてが見える期間で、南の空の水平線付近で観察できます。
石垣島天文台では「南十字星モニター」を備え、ウェブページで別途公開しています。石垣島天文台からの南の空の画像が3分ごとに撮影・表示され、特に南十字星が見える時間帯には1分おきに画像が表示されます。
※1 ここ数年のシーズン初撮影日は2020年: 12月19日、2019年: 12月15日、2018年: 12月20日となっています。
※2 国内でも緯度が低い地域(宮古島、小笠原諸島など)で観察することができます。