石垣島天文台の花山秀和(はなやま ひでかず)講師が、「石垣島天文台の管理運営と天文学の推進に対する優れた業績」の題目で令和4年度の天文学振興財団古在由秀賞を受賞しました。
古在由秀賞は、天文学に関する分野の研究、教育及び普及活動会の支援等に加え、天文学に関連する分野の顕著な業績に対して45歳以下の天文学関係者を表彰する制度です。表彰は今年度で第3回目で、花山氏が該当した「天文学の推進に関して管理運営等において優れた業績をあげた者」としては初の受賞者となります。
賞の名前になっている古在由秀(こざい よしひで)国立天文台名誉教授は、天体力学分野における世界的な権威として知られています。国立天文台の初代台長、日本人初の国際天文学連合(IAU)会長を務めるなど、世界的リーダーとして活躍された方で、日本を代表する天文学者の名を冠する賞の表彰になります。受賞者には本賞の賞状とともに、副賞として賞牌及び賞金(30万円)が与えられます。
授賞式は日本天文学会の各賞授賞式と一緒に日本天文学会の春季年会の会員全体集会にて行われました。コロナ禍の影響により他の賞と合わせてコメントとともに発表されました。
花山氏は石垣島天文台の施設責任者・室長として、口径105cmむりかぶし望遠鏡による公開・教育・研究活動に携わってきました。2009年に石垣島天文台の研究員として太陽系天体や突発天体の観測研究に従事し、2017年からは施設責任者として地域連携による施設運用を担っています。石垣島天文台は国立天文台・石垣市・石垣市教育委員会・NPO法人八重山星の会・沖縄県立石垣青少年の家・琉球大学の6者の連携によって運営されるユニークな天文台で、公開・教育・研究活動を強力に推進してきた花山氏の功績と、組織内外を結ぶ調整力が高く評価され、今回の受賞という結果になりました。
花山氏からのコメント:
「この度は、身に余る光栄な賞を賜り、喜びと感激に堪えません。石垣島天文台を支えて下さった皆様、運営協議会6者の皆様、地域の皆様、私を指導して下さった先生方、そして推薦していただいた早津博士に深く感謝致します。お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、これからも精進を重ねて参ります。今後とも何卒よろしくお願いいたします。」
昨年6月から故障中だった当天文台の「むりかぶし望遠鏡」も3月10日に復旧を果たしました。受賞を励みにして、石垣島天文台は今後も天文学の発展に一層尽力していきます。
<関連リンク>
天文学振興財団のウェブサイト http://www.fpastron.jp/index.html
石垣島天文台公式ツイッター https://twitter.com/IshAstO_naoj
国立天文台ニュース 2022年 春号 石垣島天文台見学者15万人達成!-最近5年間の活動報告-
天文月報 2022年10月号 地域連携による石垣島天文台の運用
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(日本語)花山講師が古在由秀賞を受賞